誤字がそのまま登記されてしまった場合

登記は1文字も間違えられないので神経を使う仕事です。

以前、相続登記について「平成●年●月●日相続」とすべきところ「平成●年●年●日相続」と誤って書いて申請してしまい、そのまま登記されてしまったことがあります。

通常は法務局のほうで気づいて指摘されることがほとんどですが、意外と見落とされることもあります。100%法務局の誤りである場合は法務局側で更正してくれます(職権更正といいます)が、少しでもこちらに落ち度がある場合は職権更正はしてくれないので、改めて更正登記の申請を出す必要があります。

更正登記にあたっては、それ用の委任状を改めてお客さんからもらう必要があります。これがカッコ悪いのです。事情によっては再度委任状をもらうことが困難なケースもありますので、本当に誤字には細心の注意を払う必要があります。

なお、更正登記の登録免許税は不動産1件につき1,000円なのですが、今回の件は法務局も見落としたことに責任を感じたのか、登録免許税は無料でいいと言ってくれました。非課税の根拠は登録免許税法5条12号とのことでした。

<登録免許税法第5条(一部抜粋)
次に掲げる登記等については、登録免許税を課さない。
十二 登記機関の過誤による登記若しくは登録又はその抹消があつた場合の当該登記若しくは登録の抹消若しくは更正又は抹消した登録若しくは登録の回復の登記若しくは登録

ちなみに、会社登記の更正は1件2万円です。なぜ不動産登記とこんなに差があるのか謎ですが、こちらの落ち度による費用はお客さんに請求するわけにはいかず自腹を切ることになるので、会社登記をミスった時は金銭的にも精神的にもダメージがでかいです。