相続不動産の換価分割

遺産である不動産を売却し、その代金を相続人全員で分けることにした場合を考えます。

売却の前提として相続登記を入れる必要がありますが、どうせすぐに売却するので便宜的に相続人のうちの1人だけの名義にして、その人が売却の手続きを行う、ということがよくあります。

相続税譲渡所得税がその人だけにかかってしまわないか?また、売却代金を他の相続人に分配する際に贈与税がかかってしまわないか?と思うかもしれませんが、いずれもその心配はありません。課税上は形式的な名義ではなく実態を考慮してくれます。

ただし、そのことを遺産分割協議書にはっきり書く必要があります。遺産分割協議書から読み取れない場合は、1人の相続人が単独相続したものとして課税されてしまうおそれがあります。

しかし、「便宜的に相続人の1人に相続させる」という遺産分割協議書では、相続登記を入れられない可能性があります。登記は実態に即して入れなければならないという大原則があるからです。(とはいえ、大抵の法務局では大丈夫だと思いますが。。)

税務署用と登記用で2つ遺産分割協議書を作るという手もありますが、あまり良い手段とは言えません。

結局一番確実なのは、相続人全員の名義で相続登記を入れることです。その場合、売却手続きに相続人全員の関与が必要となるのでその点が面倒かもしれませんが。。