持分を複数回に分けて取得した人の住所変更登記

所有権を一度に全部ではなく、複数回に分けて取得しているケースがあります。例えば持分3分の1ずつ3回に分けて取得しているような場合です。登記上も、甲区2番、3番、4番というように分けて記載されます。

何故このようなことをするかというと、相続税対策です。年間110万円までなら非課税なので、その額を超えない程度の持分を毎年贈与するのです。(生前のうちに贈与しておけば、相続税が掛からないのです。)

全ての贈与が完了すると最終的に所有者は1人ということになりますが、前述の通り所有権の登記は持分を取得したタイミングごとに複数個所に分かれています。

この所有者の住所に変更があった場合、住所変更の登記申請書に記載する「登記の目的」はどうなるでしょうか?実質単独所有なのだから「所有権登記名義人住所変更」でいいのでしょうか?

正解は「2番、3番、4番登記名義人住所変更」です。まあ、間違えたとしてもせいぜい補正になるだけですし、法務局によってはそのまま通してくれる所もあるかもしれません。

過去に経験した事案で、2番で登記された住所がそもそも誤っていたというケースがありました。この場合は錯誤による更正と住所移転による変更登記が必要となります。3番4番に誤りはないので住所移転による変更登記だけでOKです。これらを1つの申請書でまとめて登記申請可能か法務局に問い合わせたことがありますが、分けて申請せよとの回答でした。

蛇足ですが、所有者が法人のケースで「登記名義人本店変更」と書いてそのまま通ったことがあります。ですが、正しくは「登記名義人住所変更」なのでお間違えないように。。