合同会社の社員
合同会社の社員の種類
合同会社の出資者を「社員」といいます。従業員という意味ではありません。合同会社は株式会社と違って所有と経営が分離していないので、出資者である社員が業務執行も行うのが基本です。ですが、社員のうち特定の人だけに業務を執行させることもできます。その場合、他の社員は出資だけして経営には携わらないということになります。また、業務執行社員の中から代表社員(株式会社でいう代表取締役)を選ぶことができます。特に選ばなかった場合は業務執行社員全員が代表社員になります。
つまり、合同会社の社員は以下の3種類になります。
- 社員
- 業務執行社員
- 代表社員
上記1~3には包含関係があります。つまり、社員の一部(もしくは全部)が業務執行社員で、業務執行社員の一部(もしくは全部)が代表社員ということです。
実際は、社員全員が業務執行社員となり、そのうち一人を代表社員にするケースが多いと思います。
業務執行社員の定め方
業務執行社員は定款で定めることができます。また、総社員の同意により定める旨を定款に記載することもできます。特に定めがない場合は社員全員が業務執行社員になります。
基本的に、合同会社の業務は業務執行社員(定めがない場合は社員)の過半数をもって決定します。
代表社員の定め方
代表社員は定款または定款の定めに基づく社員の互選によって、業務執行社員の中から定めます。特に定めがない場合は業務執行社員全員が代表社員になり、各自が合同会社を代表します。
代表社員は、合同会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します。
なお、代表社員の定めについては、会社法599条3項に以下のように規定されています。
<会社法599条3項>
持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。
ここでいう「社員の互選」とは、業務執行社員の互選なのか、業務執行社員以外も含む社員全員の互選なのかはっきりしないようです。条文を素直に読むと社員全員のように思えますが、商業登記のバイブルである「商業登記ハンドブック(第3版)」では著者の私見とした上で業務執行社員の互選と解するのが穏当としています。会社法にも意外と曖昧な箇所がありますね。