不動産決済トラブル5-買主(法人)が登記中

不動産の売買による所有権移転登記では、買主の住所を証明する書類の添付が必要となります。通常は住民票を添付しますが、買主が法人の場合は会社の登記事項証明書を添付します。

※現在は登記申請書に会社法人等番号を記載することにより登記事項証明書の添付を省略できるようになりました。しかし、登記申請の添付書類として不要となっただけであり、会社の本店所在地(登記申請書に記載する必要があります)確認のために登記事項証明書を取得する必要があることに変わりはありません。

不動産登記にせよ会社登記にせよ、登記申請してから登記完了するまでに1~2週間程度の時間が掛かります。この間、登記事項証明書は取得できません。

不動産の買主である会社の本店が移転し、現在その登記申請中であるため会社の登記事項証明書が取得できないというケースがありました。決済の前日までには本店移転登記は完了する予定と聞いていましたが、決済当日になっても「現在登記中」とのことで登記事項証明書は取得できませんでした。(買主の会社の担当者が登記についてよく理解しておらず情報が誤っていたようです。)

登記申請を出した際、希望すれば受領証を受け取ることができます。受領証は登記申請書の写しなので、それを見ればどのような登記を申請したのかわかります。本件では本店移転登記の受領証を添付し、買主の住所は移転後の本店所在地として登記を申請しました。少し心配でしたが法務局からは特に何も言われることなく無事登記完了しました。