成年被後見人の居住用不動産への抵当権設定

認知症等により成年後見人が付いている人の居住用不動産を処分するためには、家庭裁判所の許可が必要です。成年後見人の判断だけで行うことはできません。処分とは売却だけでなく担保に入れることも含みます。

娘が母の成年後見人になっているケースで、母名義の土地の上の母名義の家が古くなってきたので取り壊し、新たに娘名義の家を建てることになりました。この資金を銀行から借り入れ、土地(母名義)と家(娘名義)に抵当権を設定します。

まず、母名義の家の取り壊しについて家庭裁判所の許可が必要です。また、母名義の土地への抵当権設定についても同じく許可が必要です。なお、成年後見人である娘の借金のために母の土地に抵当権を付けることは、成年後見人(娘)と成年被後見人(母)の利益相反行為にあたります。この場合、成年後見人は成年被後見人を代理することはできないので、司法書士を特別代理人に選任して手続きを行いました。

家庭裁判所の許可を申し立てる際に、抵当権設定契約書のドラフト等の資料を添付します。ドラフトの時点では抵当権の債権額は2,000万円だったのですが、許可が下りた後に金額が1,900万円に変更になりました。

2,000万円の許可書を付けて1,900万円の抵当権設定登記が可能か(もしくは1,900万円で許可書を取り直す必要があるか)、管轄法務局に問い合わせてみましたが、「減額する分には問題ありません」との回答だったので、そのまま添付して登記申請しました。