死亡届出を死後事務として委任できるか

死後事務委任契約により、自分の死後の諸々の手続きについて誰かに委任しておくことができます。例えば葬儀のことや医療費・施設利用料の支払い、住居の整理などです。

では、死亡届の提出を委任することはできるでしょうか?死亡届については戸籍法に以下のような規定があります。

<戸籍法第87条>
左の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。但し、順序にかかわらず届出をすることができる。
第一 同居の親族
第二 その他の同居者
第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
2 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人も、これをすることができる。

上記の通り死亡届をできる者に「本人」は含まれていません。まあ当たり前ですよね。死んでるんだから。

なので、死亡届を出す権限のない人がそれを他人に委任することはできないという理屈になります。

ただし、実際の死後事務委任契約では「死亡届の提出」を委任事項として記載することもあります。委任される人が親族であれば問題ありません(そもそも委任されなくてもできます)が、そうでない場合は死亡届を受け付けてくれるかどうかは役所によると思います。

ちなみに、任意後見人も死亡届ができるとありますが、任意後見受任者(※)は含まれていませんね。これももしかしたら役所によっては受け付けてくれるかもしれませんが。。

※任意後見契約を結んでも本人の意思能力が低下するまでは効力が発動しません。未発効の状態においては任意後見人ではなく任意後見受任者といいます。意思能力が低下することなく亡くなった場合、任意後見受任者は任意後見人にならずに終わることになります。