持分放棄で贈与税がかかる?

不動産をAとBが持分2分の1ずつで共有している場合、Aが自分の持分をBに贈与すると当然ながら贈与税がかかります。

ところで、民法には以下のような規定があります。

<民法第255条>
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

Aが持分を放棄するとその持分は他の共有者であるBのものになるということです。これなら贈与ではないので贈与税はかからないのでは?とも思えますがそう甘くはありません。相続税法基本通達に以下のような規定があります。

<相続税法基本通達9-12>
共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得したものとして取り扱うものとする。

要するに、放棄の場合も贈与とみなして贈与税を課すということです。課税逃れの便法として使われることを防止しているのですね。