不動産決済の待ち時間

決済で最も時間がかかるのは銀行の手続きです。月末や五十日(ごとおび、5や10の倍数の日付)は特に時間がかかります。先月末の決済では、買主の口座に融資金額が振り込まれるまでと、その金額が売主の口座に送金されるまで合わせて2時間半くらいかかりました。何故そんなに時間がかかるのかは銀行内部の手続きの話なのでよくわかりません。

2時間半は長すぎますが、通常でも30分~1時間はかかります。不動産業者の建売の場合は、売主(不動産業者)から買主への建物の説明等があるので間が持つのですが、土地だけの売買の場合や、個人間の中古物件の売買の場合等は話のネタが尽きて気まずい沈黙が続くことがよくあります。

不動産業者や仲介業者の中には、この待ち時間をうまく繋ぐことができる司法書士を選ぶなんて言う人もいます。冗談だと思いますが。そもそも司法書士は決済の場で当事者とは初対面なわけで、それ以前に何度も会っているはずの不動産屋さんや仲介さんが繋げない間を繋げるわけがありません。もちろん、仲介さんが間を繋ぐためにこちらに話を振ってきた時には空気を読んでなるべく協力はしますが。そもそも往々にして売買当事者は登記になんて興味ないのです。

また、特に個人間の売買では、よく事情を知らずに迂闊なことを喋ると地雷を踏むことがあります。不動産を手放す方には様々な事情があるからです。配偶者との離婚や死別で一人で住むには広すぎるから売ることにした、なんて人もいます。通常は司法書士にそのような情報は知らされないので(よほど特殊な事情がある時は事前に仲介さんから電話で伝えられることもありますが)、必要以上のことは話さず黙っていたほうが無難なのです。正に口は災いの元です。