本店所在地の記載方法

定款に記載する本店所在地は最小行政区画(市区町村)まででよい、というのは司法書士であれば誰でも知っていることですが、改めて根拠を調べてみると、登記関係先例集にも載っている民事局回答とのことでした(大13・12・17民事1194号回答、登記関係先例集上1034頁)。

具体的には「当会社は、本店を○○県○○市に置く」というように記載します。こうすることで、同一市内で本店を移転しても定款変更手続きが不要となります。なお、定款の変更には株主総会の特別決議(合同会社等の持分会社は原則総社員の同意)が必要です。

先日、「○○県○○郡○○町~」を本店所在地とする会社設立の依頼があったので、郡まででよいのか町まで記載する必要があるのか、調べてみました。結果、町まで記載する必要があるそうです。

なお、登記上は番地まで含めた正確な住所(本店所在場所)を記載しなければならないため、定款の変更が不要であっても登記の変更は必要です。本店所在場所の決定は取締役の決定または取締役会決議(持分会社は業務執行社員の過半数の一致)で行うため、定款変更よりは手続きのハードルが低くなります。

なお、登記上も建物名や部屋番号までは記載不要とされています。記載してもいいのですが、そうするとオーナーチェンジ等の理由で建物名が変更された場合、本店を移転していないにも関わらず変更登記が必要となってしまいます。